思い出したコネタでもね。
 
 
以前、私は小さな個人経営の本屋でバイトしていたことがあるのですが。
そこでのお話。
 
本屋。
本屋といえば、本。当たり前ですね。
しかも、新しい紙がたくさん。
 
 
駅前の本屋だったが故に、夕方は非常に混雑いたしました。
皆さん、帰りの電車の中での暇つぶしとか、そういうのをお買い上げになるんでしょう。
ある日の夕方。
何時もどおり私は、手早くレジを打ち、本に店名が印刷されたカバーをかけるのに必死になっていまいした。
そこで、ふとお客さんがお買い上げになった本を紙袋に包装して渡したところ。
その紙袋に、なにやら赤い点々が。
 
はて。何事だろう。
お客様と、 
 
 
 
「あれ〜〜〜?」
 
 
 
と小首を傾げてみた。
だが、カウンターの上にも、袋をしまっていた場所にも、何もその「赤い点」の原因になりうるものは無い。
 
 
ナゾは深まるばかり。
 
 
と、そこに、私の鈍い痛覚が、俄かに刺激を私の脳みそに伝えてきた。
ふと、親指を見ると、指の腹は、綺麗にぱっくり裂けていた。
客が引いたのは言うまでも無い。
 
 
 
………………今でも覚えているのは、その客の一人前か二人前くらいに京極夏彦をお買い上げになった方が居た、ということで。
 
 
 
血染めの京極夏彦を作成した可能性大。
 
 
 
 
 
………………………………………お客さんごめんね。真新しい紙って、よく手切っちゃうんだ。
ティラノサウルス並みの痛覚の鈍さなんで、どうも気がつかないんだよね……………。
こないだも、クリーニング屋のホッチキスの芯が親指に刺さってんの気づかないまま手を洗ったら、えらい痛かった。
 
 
ええ。そんな感じデス。
じゃ。

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